不燃材(不燃建材)とは
不燃材料(不燃建材)とは
不燃材料とは、火災時に20分間の不燃性能を持つ、防火性能の高い建築材料のことです。建築基準法施行令108条の2で基準が定められており、技術的に適合した不燃性の建築材料を指します。不燃材料には、燃焼しないもの、防火上有害な変形、溶融、き裂その他の損傷を生じないもの、避難上有害な煙又はガスを発生しないものであることが求められます。
第百八条の二 法第二条第九号の政令で定める性能及びその技術的基準は、建築材料に、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後二十分間次の各号(建築物の外部の仕上げに用いるものにあつては、第一号及び第二号)に掲げる要件を満たしていることとする。
引用元:建築基準法施行令第百八条の二
- 燃焼しないものであること。
- 防火上有害な変形、溶融、き裂その他の損傷を生じないものであること。
- 避難上有害な煙又はガスを発生しないものであること。
また、不燃材料は防火材料の1つで、建築基準法施行令第108条2の要件を満たす防火性能に応じて、「不燃材料」「準不燃材料」「難燃材料」の3つに分類され、不燃材はその中でも最も防火性能の高い材料として規定さています。
不燃材にどのようなものがあるかですが、平成12年5月30日建設省告示第1400号で定められています。詳しくは後述をご確認下さい。
これに例示されていない材料の場合は、建築基準法施行令108条の2で定められた基準を満たしていることを国土交通省が指定する性能評価機関で確認し、評価委員会で技術的に適合と判断された材料が国土交通大臣認定を受け、不燃材料として使えるようになります。こちらは、建築基準法第2条第9号で定められています。
九 不燃材料 建築材料のうち、不燃性能(通常の火災時における火熱により燃焼しないことその他の政令で定める性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
引用元:建築基準法第二条第九号
- 建設省告示第1400号で定められた不燃材料
- 国土交通大臣認定の不燃材料認定を受けた不燃材料
防火材料とは
防火材料とは、建築基準法に基づく防火認定を受けた建築材料のことで、建築基準法施行令第108条2の要件を満たす防火性能に応じて、「不燃材料」「準不燃材料」「難燃材料」の3つに分類されています。防火材料には、①燃焼しない、②防火上有害な変形、溶融、き裂その他の損傷を生じない、③避難上有害な煙又はガスを発生しないものが求められます。
不燃材料 | 加熱開始後20分間燃焼しない | 建築基準法施行令第百八条の二、建築基準法第二条第九号 |
準不燃材料 | 加熱開始後10分間燃焼しない | 建築基準法施行令第一条の五 |
難燃材料 | 加熱開始後5分間燃焼しない | 建築基準法施行令第一条の六 |
不燃材料 一覧
不燃材料は、平成12年5月30日建設省告示第1400号により、下記の材料が定められています。
- コンクリート
- れんが
- 瓦
- 陶磁器質タイル
- 繊維強化セメント板
- 厚さが3mm以上のガラス繊維混入セメント板
- 厚さが5mm以上の繊維混入ケイ酸カルシウム板
- 鉄鋼
- アルミニウム
- 金属板
- ガラス
- モルタル
- 漆喰
- 石
- 厚さが12mm以上の石膏ボード(ボード用原紙の厚さが0.6mm以下のものに限る)
- ロックウール
- グラスウール板
また、建築基準法第2条第9号の規定に基づき、建築基準法施行令108条の2で定められた基準を満たしていることを国土交通省が指定する性能評価機関で確認し、評価委員会で技術的に適合と判断された材料が、国土交通大臣認定の不燃材料認定を受け、不燃材料として使えるようになります。
国土交通大臣認定 不燃材料認定の認定番号
不燃材の認定を受けた材料は、下記の認定番号が割り当てられます。〇〇〇〇の部分(通算番号)には4桁の番号が入ります。
用語 | コード | 英語表記 | 不燃材料認定番号 |
---|---|---|---|
不燃材料 | NM | Noncombustible Material | NM-〇〇〇〇 |
不燃材料(外部仕上げ用) | NE | Noncombustible Exterior Finish | NE-〇〇〇〇 |
準不燃材料 一覧
準不燃材料は、平成12年5月30日建設省告示第1401号により、下記の材料が定められています。
- 厚さが9mm以上の石膏ボード(ボード用原紙の厚さが0.6mm以下のものに限る)
- 厚さが15mm以上の木毛セメント板
- 厚さが9mm以上の硬質木片セメント板(かさ比重が0.9以上のものに限る)
- 厚さが30mm以上の木片セメント板(かさ比重が0.5以上のものに限る)
- 厚さが6mm以上のパルプセメント板
また、前述の不燃材料同様に、建築基準法の規定に基づいて、国土交通大臣認定の准不燃材料認定を受けたものが、準不燃材料として使用できます。
国土交通大臣認定 準不燃材料認定の認定番号
準不燃材の認定を受けた材料は、下記の認定番号が割り当てられます。
用語 | コード | 英語表記 | 不燃材料認定番号 |
---|---|---|---|
準不燃材料 | QM | Quasi-noncombustible Materials | QM-〇〇〇〇 |
準不燃材料(外部仕上げ用) | QE | Quasi-noncombustible Exterior Finish | QE-〇〇〇〇 |
難燃材料 一覧
難燃材料は、平成12年5月30日建設省告示第1402号により、下記の材料が定められています。
- 難燃合板で厚さが5.5mm以上のもの
- 厚さが7mm以上の石膏ボード(ボード用原紙の厚さが0.5mm以下のものに限る)
また、前述の不燃材料同様に、建築基準法の規定に基づいて、国土交通大臣認定の難燃材料認定を受けたものが、難燃材料として使えます。
国土交通大臣認定 難燃材料認定の認定番号
難燃燃材の認定を受けた材料は、下記の認定番号が割り当てられます。
用語 | コード | 英語表記 | 不燃材料認定番号 |
---|---|---|---|
難燃材料 | RM | Fire Retardant Material | RM-〇〇〇〇 |
難燃材料(外部仕上げ用) | RE | Fire Retardant Exterior Finish | RE-〇〇〇〇 |
不燃材料(防火材料)の使用が義務付けられている建築物および防火対象物
どのような建築物に不燃材料の使用が義務付けられているかですが、建築基準法だけでなく、消防法も関係してきますので、2つの法律を合わせて理解する必要があります。
消防法における特定防火対象物
消防法施行令別表第1では、下記の特定防火対象物に対して、不燃材料を中心とした防火材料の使用が義務付けられています。特定防火対象物とは、不特定多数の人が出入りする建築物のことです。多くの人が出入りする建築物だからこそ、より防火性能が高い不燃材料が求められます。
- 劇場、映画館、演芸場又は観覧場
- 公会堂又は集会場
- キャバレー、カフェー、ナイトクラブその他これらに類するもの
- 遊技場又はダンスホール
- 性風俗関連特殊営業を営む店舗
- カラオケボックス等
- 待合、料理店その他これらに類するもの
- 飲食店
- 百貨店、マーケツトその他の物品販売業を営む店舗又は展示場
- 旅館、ホテル、宿泊所その他これらに類するもの
- 病院、診療所等
- 有床の福祉施設(特別養護老人ホームなど)
- 老人デイサービスセンターなど
- 幼稚園又は特別支援学校
- 公衆浴場のうち、蒸気浴場、熱気浴場その他これらに類するもの
- 複合用途防火対象物のうち、その一部が特定防火対象物の用途に供されているもの
- 地下街
- 建築物の地階で連続して地下道に面して設けられたものと当該地下道とを合わせたもの
- て重要文化財、重要有形民俗文化財、史跡、重要美術品として認定された建造
- 延長50メートル以上のアーケード
- 総務省令で定める舟車(船舶および、電車やバスや自動車等の車両)
建築基準法における看板等の防火措置
防火地域内にある看板に関して、建物の屋上に設置したり、高さ3mを超える看板については、不燃材料を使用することが建築基準法第64条で義務付けられています。
第六十四条 防火地域内にある看板、広告塔、装飾塔その他これらに類する工作物で、建築物の屋上に設けるもの又は高さ三メートルを超えるものは、その主要な部分を不燃材料で造り、又は覆わなければならない。
引用元:建築基準法第六十四条
Each DreaMが開発した不燃材料(不燃建材)
不燃材の開発メーカーであるEach DreaM株式会社の製品では、下記の4つの不燃材が国土交通大臣認定の不燃材料認定を受けています。
燃えない次世代FRP(繊維強化セラミック / FRC) 不燃材料認定番号:NM-5269
一般的な不燃性FRPと燃えない次世代FRPの燃焼比較実験(2021年2月)
世界各国で取り組まれているカーボンニュートラルによって、石油由来のFRPは、今後縮小してくものと予想されます。
燃えない次世代FRPは、1200℃の熱に耐えられ、従来のFRPと同様の性質を持ち、同様の使い勝手で加工できる新素材です。無機化合物のため、環境にも優しく、リサイクルが容易です。繊維強化セラミック(FRC)になりますが、今後FRPの代わりになる次世代のFRPになり得ると考えています。
- 国土交通大臣認定 不燃材料認定 [認定番号:NM-5269]
- ISO-1182試験規格に合格 [試験成績書:第20-1100号]
- ISO-5660試験規格に合格 [試験番号:ⅢC-20-0046]
- 鉄道車両用材料燃焼性試験(アルコールランプ燃焼試験)に合格 [試験番号:車材燃試 2020-450K]
- 鉄道車両用材料燃焼性試験(コーンカロリーメータ燃焼発熱性試験)に合格 [試験番号:車材燃試 C2020-27K]
燃えない断熱材 不燃材料認定番号:NM-5415
世界最強クラスの耐火断熱ボード20分燃焼実験
燃えない断熱材は、廃棄の自然素材を再利用したもので、環境にも優しく、1500℃の炎でも全く燃える事がありません。燃えない次世代FRP開発の延長で、より高い断熱性を追求して生まれた新素材の断熱材です。
- 国土交通大臣認定 不燃材料認定 [認定番号:NM-5415]
- ISO-1182試験規格に合格 [試験成績書:第20-1720号]
- ISO-5660試験規格に合格 [試験番号:ⅢC-20-0069]
天然石シート 不燃材料認定番号:NM-5646
天然石のスラブ材を、薄く剥がしてシート状にした不燃性の内装材です。厚みは約1mmです。
従来の天然石シートと異なり、樹脂の代わりに弊社開発の繊維強化セラックを使用し、ガラス繊維の代わりにバサルト繊維を使用することによって、世界で初めて不燃性を実現しました。
これにより、2023年4月に国土交通大臣認定の不燃材料認定合格しています。
- 国土交通大臣認定 不燃材料認定 [認定番号:NM-5646]
- ISO-5660試験規格に合格 [試験番号:ⅢY-22-0131]
天然石ボード 不燃材料認定番号:NM-5645
不燃性の天然石シートをケイカル板に圧着し、ボード状に仕上げた内装材です。
- 国土交通大臣認定 不燃材料認定 [認定番号:NM-5645]
- ISO-5660試験規格に合格 [試験番号:ⅢY-22-0130]